マクエニで調査を行っています

インターンの伊藤憲子さんのレポートです。当社は事業を通して、マンゴー流通の仕組みを変えていくことに挑戦したいと考えています。せっかくのおいしいマンゴーできちんと生計を立てることのできる仕組み、適正な収入が得られるようにしていくことが使命です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 今回は33のマンゴー農家の方々に、マンゴー栽培の現状と普段の生活について聞き取りを行いました。訪問した地域では、主にメイズや数種類の豆、マンゴーやオレンジなどが、栽培されており、その中でもマンゴー栽培は気候が適しておりケニアの他地域と比較しても非常に盛んです。

 聞き取りを行って私がもっとも衝撃を受けたのは、マンゴー農家がマーケティングにおいてかなり深刻な問題を抱えているということです。マンゴー農家はシーズンには平均して一農家あたり約11,000個ものマンゴーがとれると言います。しかしながら、ほとんどの農家は収穫したマンゴーを直接マーケットに売りに行く手段がなく、仲買人が買い取りに来てくれるのを待つしかありません。マンゴー農家が苦しめられているのは、その仲買人が来る時期と提示価格です。マンゴー農家にとって仲買人が来る時期は不定期で予測が出来ません。しかも、仲買人は15~8Ksh(610)と格安の値段を提示します。農家はたとえその値段が安過ぎたとしても、今後いつマンゴーを買い付けに来てくれるか分からないため、たいていその値段を受け入れるしかありません。

 

 また、マンゴー農家にとって良質のマンゴーを作るためには、害中対策などの手入れを行わなければ行けません。しかし、ほとんどの農家が管理に必要な費用を賄う事が出来ないのです。お金がなくて害虫対策の薬を買う事ができず多くのマンゴーをやむなく廃棄しているという声を非常に多く耳にしました。

 

今回多くのマンゴー農家さんの自宅を訪問させてもらい、実際に農村部の人々の暮らしを目のあたりにしました。村に電気はきているものの、ほとんどの家がまだ電気を引く事が出来ていません。水道はないため、タンクにためた雨水を使用するか、水をその都度買いにいきます。今回聞き取りをする中で生活の中での困難を尋ねると、多くの人々が地域に井戸を掘る必要性を訴えていました。水の不足が作物の出来に大きく影響しているという現状があるからです。さらに、お金がない為に子どもの教育費を負担出来ないという声も多々耳にしました。未来の人材である子どもにとって、子どもに未来を託す家族にとって最も重要な教育に割くお金がないという現状を、多くの農家が抱えているのです 。

マンゴーを買いたたく多くの仲買人は、時間とお金をかけてマンゴーを育てた農家の人々を失望させ、農家の人々のやる気を低下させています。

多くの仲買人が、マンゴー農家の人々が仲買人の買い取りを待っているという現状を利用して、農家に低い価格を提示してマンゴーを買いたたいているのであれば、それは第三者の私からしても怒りを覚える事実です。

マンゴー農家の人々が、正当な値段でマンゴーを売り正当な額の収入を得る事ができるように、現状を変えていかなければ行けないと強く感じました。(インターン 伊藤憲子)